Aリーグはオーストラリアの1部リーグにあたるプロリーグです。2004年に始まったばかりの新しいリーグで、シーズンは10~4月です。
過去には三浦知良や小野伸二、デル・ピエロといったスター選手の補強に成功し、近年では、本田圭佑がプレーしたことで世界中にリーグの名を広めています。Aリーグの集客力向上のため、サラリーキャップ制の制限を受けずに年俸を各チーム1名設定できる、「マーキープレーヤー」という制度があり、これまでにドワイト・ヨークやロマーリオ、ジュニーニョ・パウリスタ、ロビー・ファウラーといったビッグネームが名前を連ねました。
ここではシドニーが州都のニューサウスウェールズ(NSW)州のリーグについて紹介します。州のトップリーグ「NPL1」を筆頭に、「NPL2」、「NPL3」、「NPL4」と続きます。
このNPL1は実質オーストラリアの2部リーグにあたり、数多くのAリーガーを輩出しています。2012年シーズンまでAリーグのシドニーFCでプレーしていた森安洋文も、このリーグでの活躍が認められ、シドニーFCへの入団をつかみ取った経緯があります。現在、プレミアリーグの多くのチームがAリーグ発足前のトップリーグだった「National Soccer League」に所属していました。第二次世界大戦後にイタリアやギリシャ、旧ユーゴスラビアを中心としたヨーロッパからの移民者によって築き上げられたこれらのチームは、現在でも移民一世や二世から熱狂的なサポートを受けています。
シーズンは3月中旬から9月中旬で、シーズン終了後には上位4チームによるプレーオフが行われます。プレーオフの成績とは別に、シーズンの成績をもとに優勝チームは上位リーグへの昇格、最下位チームは下位リーグへの降格となります。プレミアリーグからの昇格、ディビジョン2からの降格はありません。
オーストラリア唯一のプロリーグであるAリーグの選手平均年俸は、約12万5000豪州ドル(1000万円相当)です。他の国のプロリーグに比べると決して高くはありませんが、チームによっては1億円近くを得ている選手もいます。下のカテゴリーである州リーグになると、サッカーの収入だけで生活している選手はほとんどおらず、他の仕事をしながらサッカーをしているのが現状です。州リーグの選手は年俸制ではなく、出場給のみ得ているケースがほとんどのため、シーズンオフには給料が発生しません。NSW州のトップリーグであるNPL1の場合、1試合の給料の平均が500~1000豪州ドル、その下のNPL2の選手で200~500豪州ドル程度です。