画像:武原龍之介(FC ギーセン)
昨年8月頃からスタートしたドイツの各リーグ2020/21シーズンは今月に全ての日程が終了した。5部以下のアマチュアリーグにいたっては、昨年11月、コロナウイルス感染症の影響によってリーグが中断し、今年に入っても再開することができず打ち切りとなった。そんな中、レギオナルリーガ(4部)北東地区で優勝、ドリッテリーガ(3部)昇格を決めたヴィクトリア・ベルリンの山田真史、レギオナルリーガ(4部)南西地区で全試合を消化し、11位(全22チーム)だったFCギーセンの武原龍之介、女子ブンデスリーガ2部の最終節で見事残留を決めたアイントラハト・フランクフルトⅡの平田舞の3選手が今季を振り返り、来期の意気込みを語った。
山田 真史(ヴィクトリア・ベルリン)
20チームで行われたレギオナルリーガ(ドイツ4部)は11試合を消化した昨年10月にコロナウイルス感染症拡大を受けリーグ中断、その後再開の見通しが立たず打ち切りとなり、11試合消化時点で勝ち点33で1位だったヴィクトリア・ベルリン(以下:ヴィクトリア)がレギオナルリーガ優勝、ドリッテリーガ(ドイツ3部)昇格を決めた。開幕から驚異の11連勝と圧倒的な強さを見せ、満を持して3部昇格を達成したヴィクトリアだったが、国内カップ戦のDFBポカール杯ではベルリン予選で同リーグだったBFCディナモに敗れ、惜しくも敗退。それでもヴィクトリアで2シーズン目となる今年、悲願の3部昇格を果たした山田真史は今季11試合中9試合に出場し、チームの優勝に大きく貢献。これまで数多くの留学生がドイツで挑戦してきたが、4部の壁を超えた選手はおらず、留学生として初の日本人となった山田選手。来季はチームとの契約更新も既に済んでおり、大きな目標の1つであった3部リーグでのプレーすることが決定。日本でプロ経歴のない1人の日本人選手がサッカー大国ドイツのプロの舞台に挑む。
画像:Viktoria Berlin
山田 真史のコメント▼
– 今シーズンを振り返ってみて –
「今シーズンはコロナの影響もあり、11試合という短いシーズンでした。チームとしては11連勝・リーグ戦優勝という素晴らしい結果を残す事ができました。普段からチームメイト全員がポジティブな雰囲気で、シーズン中はチーム全体で3部昇格という目標に対して真摯に向き合って取り組んでいたと思います。それが、今シーズンでの11連勝に繋がったと思います。僕個人としてはほぼ全ての試合に出させてもらい、実際重要な場面での得点を取ることも出来、そういった面ではポジティブに捉えています。ですが、それで満足しているわけではないです。なんなら、全然満足出来ていません。個人的にもっと得点・アシストのチャンスがあり、それを実現出来ていないところで、最後の精度というところをもっと磨いていかなければならないと感じました。守備に関してはフィジカル的な面で負けていると感じた事は無いですし、走ると言うことに関してはリーグ内で1番走れると自負しています(笑)。あとは、まだまだコミュニケーションをもっと取っていきたいですね。練習前・中・後、チームメイト・コーチ、スタッフ陣、普段のさりげない会話からでももっと信頼関係が築いていけると、コロナ期間を通じて感じました。」
– 来シーズンに向けての意気込み –
「来季からいよいよ、3部(プロリーグ) でプレーするに至って、まず目先の目標として、新しいチームになるので、そこで繰り広げられるレギュラー争いに勝ち、ポジションを勝ち取る事。絶対的な選手として確立することが1番目先の目標です。そこから来シーズンはもっと数字にこだわっていきたいと思っています。今シーズンでは1ゴール0アシストと言う数字に終わってしまいましたが、次シーズンではそこをもっと意識して、10ゴール10アシストを目標としてプレーします!チームとしての目標としては、もちろん3部参入して初のシーズンになりますが、残留という目標ではなく、上位に食い込むことを目標にします!やはり目標は高い方が努力のしがいも楽しみがいもあると思うので!(笑)」
画像:Viktoria Berlin
Viktoria Berlin(2020/21シーズン チーム成績)
1位(20チーム中)
【試合数】 11
【勝ち点】 33
【得点】 26
【失点】 9
【得失点】 +17
山田 真史(2020/21シーズン 個人スタッツ)
【出場数】 9 / 11試合(チーム11位タイ)
【出場時間数】 548分(チーム11位)
【ゴール数】 1点(7位タイ)
武原 龍之介(FC ギーセン)
22チームで行われた今季のレギオナルリーガ南西地区(4部)。前半戦はなかなか勝ち切れず苦しい時期を過ごしたFCギーセンだったが、後半戦では新戦力などの影響もあり巻き返しに成功。残留が目標だったチームも勝ち点を52点まで積み上げ11位でフィニッシュ。42試合行われたリーグ戦で31試合に出場した武原選手は怪我などで戦線離脱した期間もあったが、6部からの移籍後初ゴールを決めるなど攻守に渡って活躍。持ち味である豊富な運動量、切り替えの早さ、献身的なプレーでチームの残留に貢献。2年目となる来シーズンのレギオナルリーガで更なる活躍に期待がかかる。
画像:FC Gießen
武原 龍之介のコメント▼
-今シーズンを振り返ってみて-
「チーム、個人としても前期は厳しく一時は21位まで落ちる状況でしたが、後期は新たな選手が加わり、個人としても徐々に4部のプレースピードに慣れ、試合への出場機会が増えました。最終的に11位でリーグを終える事が出来て良かったなと思います。」
– 昨シーズンプレーした6部と今シーズンプレーした4部の差について –
「スタジアム、ロッカールームなど環境面はかなり差がありました。またフィジカル、技術的な面、プレスの速さ、それらに対応する判断能力など6部と比べて全然違うのかなと思います。」
– 来シーズンに向けての意気込み –
「個人の目標は、今年は怪我で何試合か出れなかったので怪我のないようにシーズンを送りたいです。また試合に多く出続けて目に見える結果を残す事です。チームとしては、来季も残留が目標となるのでそれを達成できるように勝点1でも取りに行けるように頑張っていきたいです。」
画像:FC Gießen
FC Gießen(2020/21シーズン チーム成績)
11位(22チーム中)
【勝ち点】 53
【得点】 52
【失点】 51
【得失点】 +1
武原 龍之介(2020/21シーズン 個人スタッツ)
【出場数】 31 / 42試合(チーム7位)
【出場時間数】 1869分(チーム10位)
【ゴール数】 1点(12位タイ)
平田 舞(アイントラハト・フランクフルトⅡ)
コロナ感染症の影響によって変則の9チーム制で行われた女子ブンデスリーガ2部を戦ったアイントラハト・フランクフルトは勝ち点を25点まで積み上げ、5位でフィニッシュ。16試合で15試合出場と主力として今シーズン、チームを牽引した平田選手。シーズン途中、ゲームキャプテンを務めるなどチームに不可欠な存在として活躍。リーグ昇格には至らなかったが、最終節、引き分け以下で2部入替戦となる宿敵バイエルンⅡ戦の大事な試合で劇的勝ち越し弾となるゴールでチームを救うなどして残留に大きく貢献。来季もチームの主力として活躍に期待。
画像:Eintracht Frankfurt Frauen Official Twitter
平田 舞のコメント▼
– 今シーズンを振り返ってみて –
「今シーズンはコロナの影響で変則的な試合日程になりました。過密日程の中、チームの中心選手として安定して試合出場できたことは良かったです。チームの雰囲気は若いチームということもあり、試合結果により浮き沈みが多少ありましたが、【チームで戦う(Zusammenarbeit)】の意識で特に最後の4試合は戦えていた印象です。個人的には最後の試合の決勝点を決め、チームの残留に貢献できて良かったです。」
– 来シーズンに向けての意気込み –
「来季も今年のように安定した試合出場をし、チームの目標である2.BundesligaのU-20のトップを取れるよう貢献していきたいと思います。個人的にはトップチームでの参加回数を増やせるよう磨いていきたいです。」
画像:Eintracht Frankfurt Frauen Official Twitter
アイントラハト・フランクフルトⅡ(2020/21シーズン チーム成績)
5位(9チーム中)
【勝ち点】 25
【得点】 30
【失点】 22
【得失点】 +8
平田 舞(2020/21シーズン 個人スタッツ)
【出場数】 15 / 16試合(チーム4位タイ)
【出場時間数】 1343分(チーム2位)
【ゴール数】 2点(5位タイ)
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